「パナマ文書」なるものが今、世界で大きな話題に!
世界を震撼させたパナマ文書とはいったい何なのか?
リストに載っていた人物や企業とは・・・
パナマ文書とは
中米のパナマという国にある法律事務所(モサック・フォンセカ)から流出した膨大な顧客データのこと。
その文書のデータ量は2.6テラバイト、1万4000の金融機関とそのクライアント21万4500社の税務情報が記載されている。
なぜ、その流出データが問題に?
流出したデータの中身は・・・
税金を払いたくないために、タックスヘイブンという租税回避地へ、ペーパーカンパニーに資金を移した世界中の権力者や富裕層、企業のリストが載っている。
タックスヘイブンとは・・・
訳すと、タックス(tax)=税金、ヘイブン(haven)=避難所、安息所、港、停泊所で、無税や税金がとても安い国のこと。
ペーパーカンパニーとは・・・
ペーパー=紙、カンパニー=会社 実物としては存在せず、書類上にしか存在しない会社のこと。
パナマ文書 流出の経緯
2015年にドイツにある「南ドイツ新聞」に勤める2人の記者が入手。
そして南ドイツ新聞は、ワシントンD.C.にある世界各国の記者で作る団体、ICIJ=「国際調査報道ジャーナリスト連合」と連携して分析に乗り出した。(International Consortium of Investigative Journalistsの略)
なぜ、パナマ文書が問題になっているのか?
法律的観点から見ると租税回避自体は合法であるが、多額の資産を保有する企業や富裕層のみしか利用できない。
そして大企業や富裕層だけが知って、租税を回避しておきながら、その一方で足りない税を消費税の増税などで国民からまかなう事になる。
金持ち権力者と一般市民との格差がますます広がり、金持ちは税金を払わず、それ以外は払うことになり不平等である。
租税回避の金額もすごい
日本企業はケイマン諸島だけで、2012年の額で55兆円租税回避。2012年の日本の税収は45兆円で、それ以上!驚愕・・・。
データが流出した法律事務所 モサック・フォンセカとは
パナマの法律事務所。
タックスヘイブンなどでの企業設立支援を扱う法律事務所としては世界第4位の規模といわれる。
大きな資産がある個人や団体、それに企業の間では、世界的に有名な法律事務所とされ、支払う税金の額をできるだけ少なくする方法を教えてくれる。
問題となった「パナマ文書」について、報道機関が盗まれた占有文書や情報への不正アクセスをおこなった、不法に取得された情報や文書を利用することは犯罪である、といった旨の声明を発表。
さて、気になるこのパナマ文書のリストに入っている企業や人物にどんな人たちがいるのだろうか?
リストに載っている人物・企業は?
アイルランドのグンロイグソン首相・・・辞任に追いやられる
彼は夫婦で、タックスヘイブンとされるイギリス領バージン諸島に、購入した会社を通じ、自国の3つの銀行の債券に数億円の投資。この事実は、公表されていなかった。
その後、リーマンショックの影響でアイスランドの財政が破綻。グンロイグソン首相が投資をしていた3つの銀行も破綻。
首相が投資の事実を隠しながら、これらの銀行の債務処理に当たっていたことが問題となった。
国民からの批判の声の高まりでグンロイグソン首相は7日、辞任。
世界の主要人物も
来月にはフルリスト発表で、先に、英国、中国、ロシア、アイスランド、ウクライナなどの政府要人やセレブなスポーツ選手、会社のトップ、公共機関の名前が公開され、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席の親族の名前も出ており、大問題となっている。
日本は?
日本人・企業も名前が入っており、セコム創業者の飯田亮・戸田寿一の両氏が。
企業は24企業リストにあるとのこと。下記のリストは厳密には今回(2016/04/03)公表されたデータ、パナマ文書を分析したものではないが、含まれている可能性のある企業で、
バンダイ 大日本印刷 大和証券 ドリームインキュベータ ドワンゴ ファストリ ジャフコ JAL 石油資源開発 丸紅 三菱商事 商船三井 日本紙 双日 オリックス 日本郵船 大宗建設 ドリテック ジー・モード トキワ 千代田リース アーツ証券 山一ファイナンス
あとがき
今回の世紀の大スクープとなった「パナマ文書」。
南ドイツ新聞社の情報を入手した二人の記者は、映画さながら命を賭けてのことだったに違いない。
彼らの行動が世界を変えることになるだろう。
以上「パナマ文書」が世界を震撼!リストに載っていた人物とは・・・でした。